記事登録
2008年01月31日(木) 22時21分

「中国産」使用か撤去か、頭抱える外食産業読売新聞

 中国産の多くを締め出すレストランと、「過剰に反応すべきではない」と冷静に構える店。中国製冷凍ギョーザによる中毒を巡り、中国産食品をメニューに入れている大手飲食チェーンの対応が分かれている。

 一方、学校給食では、一斉に中国産を敬遠する動きが起きた。国外から持ち込まれた中毒問題は、食料の多くを外国に頼る日本社会に、大きな波紋を広げている。

 居酒屋チェーンの「白木屋」「魚民」などを経営する「モンテローザ」は従来、「ジェイティフーズ」(JTF)が輸入元となった中国製品を一部のメニューに入れていた。しかし、31日からは、すべて販売をやめた。モンテローザ広報は「これだけの騒ぎだから、農薬混入の事実関係がはっきりするまで、万全を期して販売を控える」と言う。

 ファミリーレストランの「すかいらーく」グループの提供中止対象はさらに広く、中国で調理された73品目を当面、使用しない方針だ。系列の中華レストラン「バーミヤン」の各店舗で31日夕、一斉に「販売休止」の掲示を出した。広報担当者は「安全性は問題ないが、お客様が不安視されるであろう品目を控えた。国内で代替加工場を確保したい」としている。

 一方で、「中国産食材の使用中止は簡単ではない」と言うのは、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開する「ロイヤルホールディングス」。アサリやエビの一部など中国産は全体の10%未満というが、「量、質、価格すべての条件を満たす代替地は見つからない」と漏らす。

 牛丼店「すき家」や「なか卯」などを経営する「ゼンショー」の担当者は、「中国には自社で管理する農場があり、今のところ中国産を外す予定はない」という。ファミリーレストラン「デニーズ」を経営する「セブン&アイ・フードシステムズ」も、野菜など約30品目の中国産食品を輸入しているが、中止する予定はない。

 同社は「原産地や加工工場の状態はすべて把握している」と強調。ゼンショーも「日本の食卓に安定して食料を提供するには、国産だけでは賄えない」と指摘している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000056-yom-soci