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2008年01月31日(木) 22時15分

<中国製ギョーザ>製造工場管理や輸入時検査に難しさ毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件は、中国など海外から輸入される加工食品について、製造工場の管理や輸入時の検査など、安全確保の難しさを浮き彫りにした。

 JTによると、冷凍ギョーザを製造する天洋食品と99年に取引を開始する際、工場を現地調査して、品質管理体制などがJTの安全基準に適合していることを確認した。工場は衛生管理などで複数の国際認証を取得しており、これまで目立った問題もなかったという。

 工場では、午前と午後の2回、できあがった製品を実際に食べて味やにおいをチェックしたり、細菌類の検査を実施。年に数回、JTの社員が工場を訪れて、品質管理体制に問題がないかを確認していた。食中毒の原因になった殺虫剤成分の「メタミドホス」については、原料に使う野菜の栽培農家が農薬に使用しないよう工場に指導していたという。

 ただ、メタミドホスのような化学物質や農薬についてJTは、野菜については輸入時の検査を行ってきたが、ギョーザのような加工食品では実施していなかった。

 今回の問題を受けて、「検査体制の見直しを検討する」(岩井睦雄取締役)という。

 一方、日本水産は、加工食品についても輸入時の抜き取りで残留農薬検査を実施しているが、ニチレイや味の素など、食品大手の多くはJTと同様に実施しておらず、安全管理体制に大差はない。

 また、すべての商品を検査しないと安全確認は完ぺきとはいえず、「今回のような事件を防ぐには限界があり、工場の管理を徹底するしかない」との声が業界内からは出ている。【工藤昭久】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000162-mai-soci