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2008年01月31日(木) 17時31分

“毒餃子”警告メール 保健所が6日間も放置産経新聞

 中国製ギョーザ中毒事件で、昨年12月末に千葉市で最初の健康被害が発生し、同市の保健所にメールで通報があったにもかかわらず、1月上旬まで6日間にわたって放置されていたことが分かった。

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 また、輸入元の日本たばこ産業(JT)子会社「ジェイティフーズ」(東京都品川区)は千葉市のケースを把握した後、1月5日に兵庫県で起きた健康被害について、東京都の問い合わせに「同様の苦情はない」と回答していたことも判明した。
 行政や業者のこうした“怠慢”が、被害を拡大させたとの見方が強まっている。批判を呼びそうだ。
 厚生労働省などによると、最初の被害発生は昨年12月28日。千葉市内の母子が「CO・OP手作り餃子」を食べたところ、体調が悪化したため、購入先のコープ花見川店(千葉市花見川区)に「薬品くさい味がした」と訴えた。
 これを受けて生協側は翌日、千葉市保健所に「2人が嘔吐と下痢。ともに救急車で病院に搬送された」とのメールを送信した。
 だが、保健所はこの日から1月3日まで年末年始の休みで、メールが開封されたのは4日午前になってからだった。行政側は6日間にわたって放置していたことになる。
 保健所を所管する千葉市生活衛生課は「高濃度の農薬が入っていることは想定外だった。仮に保健所の職員がすぐに情報を把握しても、農薬検査は行わなかった」と話している。
 一方で生協側は1月上旬に、被害を訴えた千葉市の母子が食べ残したギョーザを自前の検査センターで調査した。この際薬品のようなにおいに気づき、外部機関に再調査を依頼したが、「異臭の原因が特定できない」との結論だったという。
 こうした中で、1月5日には兵庫県高砂市で「中華deごちそうひとくち餃子」を食べた家族が食中毒症状を起こす事態が発生。ジェイティフーズの本社がある東京都の福祉保健局には7日、兵庫県から連絡が入った。
 連絡を受け、都は7日のうちにジェイ社に対し、同様の苦情が寄せられていないか問い合わせた。これに対しジェイ社は、1月4日に千葉市のケースを把握していたにもかかわらず、別の商品だったため「苦情はない」と回答していた。
 複数の商品の“異常”に対処できなかったJT側は「洞察が足りなかった」などと釈明している。

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