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2008年01月31日(木) 13時43分

「天洋食品」03年に検疫免除、中国が通関迅速化へ優遇読売新聞

 【石家荘(中国河北省)=牧野田亨】中国製冷凍ギョーザによる食中毒で、ギョーザの製造元である河北省石家荘市の「河北省食品輸出入集団天洋食品工場」(天洋食品)に対し、中国の国家品質監督検査検疫総局が2003年10月、生産地での品質検査に合格すれば、輸出時の検疫などの検査を免除する措置をとっていたことが31日、わかった。

 当時の報道や同総局の公告などによると、この措置は通関のスピード向上を図り、輸出競争力を高めるのが目的で、年間輸出額500万ドル以上の電器、衣料、食品などの加工貿易企業を対象にした優遇制度。天洋食品はこの制度の初認定を受けた全国約1300社中の1社で、冷凍ギョーザが適用対象となっていた。

 一方、31日付の地元朝刊各紙は、日本での食中毒について、一切伝えていない。同日朝、会社前の屋台で朝食を買い求めていた従業員らは、報道陣の問いかけに「分かりません」「知りません」と答えるだけ。正門前では警備員がカメラ撮影を制止する場面もあった。

 同社付近の食堂従業員は、「(天洋食品)社内で問題があるという話は聞いたこともなく、信じられない」と驚きを隠せない様子。また、別の市民は「天洋食品は、来客にいつも市内の最高級ホテルを用意しており、よい会社だと思っていたのに」と困惑していた。

 市民らによると、同社の従業員の多くは市外出身の10〜20代の女性で、社内の寮で生活しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000025-yom-int