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2008年01月30日(水) 21時37分

<中国産ギョーザ>「調査開始」 五輪控え迫られる対策強化毎日新聞

 【北京・浦松丈二】中国政府は昨年6月以降、海外で中国産品による健康被害が相次いで報告されたことを受け、検査体制の強化を約束するとともに、「大部分の輸出食品は安全だ」とアピールしてきた。今回の中毒症状は、北京五輪を半年後に控える中国の「食の安全」に再び疑問符を突きつけ、一層の対策強化を中国政府に迫ることになりそうだ。

 中毒症状について、輸出食品の安全管理を主管する中国国家品質監督検査検疫総局は30日夜、「日本側と連絡を取り、調査を開始する」との声明を発表した。

 同局は昨年7月、輸出食品のサンプル検査で米国向けの99.1%、日本・欧州向けの99.8%が合格だったことを記者会見で説明し、「これらの国から中国に輸入される食品よりも合格率が高かった」と強調していた。

 また、安全性に問題のあった国内企業の輸出を禁止し、ブラックリストとして企業名と違反内容をホームページに掲載した。同8月には、食品と児童用玩具を対象にしたリコール制度を導入した。

 農業省も農産物卸売市場の集中検査を実施したほか、同10月には毒性の強い農薬を生産していた国内メーカー23社を処分した。

 しかし、小規模な食品工場の劣悪な衛生環境は変わっていないとの指摘もあり、中国国内では食品に殺鼠剤(さっそざい)が混入したことによる犠牲者が後を絶たない状態が続いていた。

 北京在住の中国人ジャーナリストで「中国の危ない食品」(草思社)の著者、周勍さんは毎日新聞の取材に「農民は栽培野菜が虫に食われて売れなくなるのを恐れ、過度に農薬を使用し、残留農薬が高い場合がある。農薬の使用方法を十分に理解していない農民もいる」と指摘した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000133-mai-cn