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2008年01月30日(水) 02時30分

<あいおい損保>サブプライム損失500億円に倍増毎日新聞

 あいおい損害保険は29日、昨年9月末時点で252億円と見込んでいた米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の損失が、約2倍の500億円超に膨らむ見通しを明らかにした。昨年10月以降もサブプライム関連の証券化商品の価格下落が続いているためで、2月下旬に公表する07年度第3四半期(10〜12月)決算で保有するサブプライム関連証券などの評価損を積み増す方針だ。

 あいおいは損保業界4位で、07年3月期連結決算の経常利益は約272億円、最終(当期)利益は約161億円だった。サブプライム関連の評価損はこれらを大幅に上回る見通しで、経営への影響も避けられないとみられる。

 あいおいのサブプライム関連の投資残高は昨年9月末時点で1154億円。同9月中間決算では、市場価格を参考に全体の4分の1の252億円を評価損として計上した。しかし、その後もサブプライム関連商品は相次いで格下げされ価格が一段と下落、評価損を大幅に積み増さなければならなくなった。

 サブプライム問題では昨年秋以降、損保業界2位の損害保険ジャパンが、サブプライム証券などの元利払いを保証する金融保証保険事業で約340億円の損失処理を行うと発表。また、三菱UFJフィナンシャル・グループも、昨年10月時点では約270億円だったサブプライム関連損失が同12月末では500億〜600億円規模に拡大する見通しになっている。

 日本の金融機関は当初、欧米金融機関に比べて「サブプライムショックの影響は極めて軽微」とされてきたが、金融市場の混乱が長期化していることから、今後も追加損失が広がる可能性が高い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000009-mai-bus_all