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2008年01月30日(水) 20時21分

<富山冤罪事件>日弁連が調査報告書 当時の弁護人を批判毎日新聞

 富山県警に強姦(ごうかん)容疑などで逮捕され、服役後に再審無罪が確定した柳原浩さん(40)の冤罪(えんざい)事件で、日本弁護士連合会は30日、調査報告書をまとめた。国選弁護人だった男性弁護士について「柳原さんが(当初の否認から)自白へ転じた理由を確認もせず、意思疎通が不十分なまま有罪を前提に弁護活動した」と批判している。

 報告書によると、男性弁護士は逮捕時に当番弁護士として1回、起訴後に国選弁護人として3回、柳原さんと接見。逮捕時は34分間否認の訴えを聞いたが、起訴後初の接見では取り調べ状況や「自白」となった理由を尋ねることなく5〜6分間で終了。その後は示談交渉や公判の説明に費やした。調査に対し男性弁護士は「こういう結果を招いて申し訳ない」と語ったという。

 報告書は捜査の問題点について「全面的に録画(可視化)されていれば、違法・不当な取り調べはできなかった」と指摘した。弁護士法によると、問題の弁護活動から3年以上過ぎているため懲戒処分などはできない。加毛修副会長は「例外的な事件ではなく、弁護士会全体の問題。全国で研修や指導を徹底していく」と話した。【高倉友彰】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080130-00000109-mai-soci