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2008年01月30日(水) 00時00分

「砂川」跡地利用が始動読売新聞

行政・地元の協議会 きょう初会合
広場などに暫定利用されている国有地と民有地が混在する砂川中央地区。将来の土地利用に向けた官民合同の協議が始まる

 旧米軍立川基地拡張を巡る「砂川闘争」の舞台になった立川市砂川町の拡張予定地跡地を含む新庁舎周辺の土地利用計画について、国や市、地元地権者らを交えた「市新庁舎周辺まちづくり協議会」の会合がきょう30日、初めて開かれる。1968年に米軍が拡張計画を撤回してから40年を経て、国が買収した土地と民有地が入り組んだまま進展のなかった土地利用計画がようやく動き始める。

 対象は、砂川中央地区と、同地区に隣接し、2009年度中に完成予定の新市庁舎(同市泉町)周辺の国有地計約30ヘクタール。国や都、市の担当部署のほか、地権者、公募市民ら24人でつくる同協議会で意見を出し合い、09年夏の土地利用計画策定を目指す。

 五日市街道を挟んだ市北部の同地区は、1950年代、米軍基地の拡張を巡って農民や学生らが警官隊と激しい衝突を繰り返した砂川闘争の現場。今も、基地拡張のために国が買収した国有地計約15ヘクタールと、買収を拒んだ地元住民の土地計約5ヘクタールが混在し、境界がはっきりしない場所も残る。

 国としての利用計画はないとの意向が国側から示されたことから、地元地権者らは1998年、「砂川中央地区まちづくり推進協議会」を結成し、約3年かけて土地利用構想案を作成。砂川闘争の歴史を伝える「平和祈念館」や農業・商業拠点施設などを盛り込んだ住民案を市に提出したが、折り合いがつかなかった。

 その後も目立った進展はなかったが、2003年6月、国は国有留保地として手つかずのまま残る旧米軍基地の土地利用について、自治体主導による民間活用などの規制緩和を打ち出した。これを受け、市では、同地区に隣接した新市庁舎周辺の国有地約15ヘクタールと合わせて一体的な利用計画を立てることを検討。砂川地区の住民らと協議会発足に向けた調整を続けていた。

 協議会のメンバーとなる地権者の青木栄司さん(52)は「長い間進展のなかった土地利用に向け、動き始めることができた。我々としては地元の構想案がベースにあるが、結果として多くの人が満足できる内容になれば」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20080129-OYT8T00748.htm