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2008年01月30日(水) 13時26分

赤福の営業禁止処分解除 社長「ゼロから出発」朝日新聞

 和菓子の老舗(しにせ)「赤福」(三重県伊勢市)が消費期限などを偽装し、食品衛生法に基づく営業禁止処分を受けた問題で、三重県伊勢保健所は30日午前、再発防止に向けた改善策が取られたとして、同社本社工場(同市)の営業禁止処分を解除した。昨年10月19日以来、3カ月余りぶりに営業禁止が解けた。赤福の浜田典保社長は2月と見込まれている営業再開時期について、「外部機関の有識者に報告し、社内体制を最終確認してから」と述べ、明らかにしなかった。

営業禁止処分の解除通知書の交付を受け、報道陣の質問に答える浜田典保・赤福社長(左)=30日午前、三重県伊勢市の県伊勢庁舎で

 30日午前9時、伊勢市の県伊勢保健所を浜田社長らが訪れ、田畑好基・伊勢保健所長から解除通知書を受け取った。

 浜田社長はその後、報道陣に、「重大な責任を感じており、もう一度ゼロから信頼をいただけるよう菓子製造に邁進(まいしん)する」と話した。

 また、「当面は直営店から再開し、その後に委託先にお願いする」と述べ、本店を含む伊勢市内の直営店から再開して、名古屋、大阪など市外に拡大させる考えを示した。営業再開に向けて取引先との調整や配送システムの確認などを急ぐ。

 田畑所長は通知書とともに、(1)販売エリアを拡大する際には事前に報告する(2)毎月1日に販売する朔日餅(ついたちもち)の製造再開は1カ月前までに連絡する、との2点をまとめた指示書を浜田社長に渡した。

 田畑所長は報道陣に対し、業務拡大に伴い不正が行われたことを踏まえ、「名古屋、大阪などでも販売するとなれば懸念がある」「冷凍工程を用いる朔日餅は表示違反も懸念されるので、事前によく吟味するよう求めた」と説明した。

 同社は昨年12月に改善報告書を出し、今月25日に工場改修など改善策を完了。同保健所は立ち入り検査で生産ラインの試運転や冷解凍設備の撤去、製造日を中箱に印字する装置の導入などを点検し、報告書通りに改善がなされたと判断した。

 県は昨年10月19日、店頭から回収した赤福餅の再使用が判明したことを受け、根拠のない消費期限を設定したとして本社工場を営業禁止処分にし、営業施設の衛生管理や表示の総点検と改善、法令順守のための体制確立などを指示していた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0130/NGY200801300002.html