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2008年01月28日(月) 11時55分

マクド店長は「管理職に当たらず」残業代支払い命じる 産経新聞

 日本マクドナルド(東京都新宿区)が直営店店長を管理職として扱い、残業代などを支払わないのは違法として、埼玉県内の直営店店長、高野広志さん(46)が、同社に未払い残業代など計約1350万円の支払いを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。斎藤巌裁判官は「管理職には当たらない」として残業代についてはほぼ全額を認め、約750万円の支払いを命じた。同社は控訴する方針。
 外食産業など多くの業界で、店長への残業代未払いが問題となっている。同社でも約1700人の直営店店長がおり、判決がこうした状況に一石を投じそうだ。
 訴訟では、直営店店長が、労働基準法で残業代支払いの対象外となる「管理監督者」に当たるか否か−が争われた。
 斎藤裁判官は「マクドナルドの店長の権限は店舗内に限られ、企業経営上、重要な職務と権限は与えられていない」と判断。さらに長時間労働を余儀なくされるなど自身の労働時間には裁量権がなく、給与面の待遇も十分でないことから「管理監督者には当たらない」と結論づけた。
 判決によると、高野さんは平成11年、店長に昇格したが、「管理監督者」として扱われ、残業代が支払われなくなった。一方、アルバイト店員の不足などを穴埋めするため、月80時間近い残業を長期間強いられた結果、17年に軽い脳梗塞(こうそく)を起こした。

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