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2008年01月27日(日) 23時52分

「正社員に」持ちかける わいせつ容疑の東京福祉大総長朝日新聞

 東京福祉大(東京都豊島区)総長の中島恒雄容疑者(60)が強制わいせつ容疑で逮捕された事件で、中島容疑者が被害者の元同大教員の女性(41)に「正社員にしてやる」と持ちかけたうえでわいせつ行為に及んでいたことが警視庁の調べでわかった。中島容疑者を職員らは「ワンマン」と評する。同庁は絶対的な権力を背景に同様の行為を繰り返していた疑いがあるとみて調べている。

 捜査1課などの調べでは、中島容疑者は昨年2月、当時派遣社員の立場だった女性を「勤務の内容のことで話がある」と総長室に呼び出し、無理やりキスをしたり胸をさわるなどした疑い。中島容疑者は容疑を否認し、「キスはあいさつ代わり」「胸には手が当たっただけ」と主張しているという。

 警視庁にはほかに元社員の女性3、4人から被害相談が寄せられている。

 総長室は秘書らの前を通らないと入室できない構造で、「総長室でセクハラ行為をしているのでは、とのうわさが広まっていた」と同庁に話す職員もいるという。総長室には総長専用のベッドルームやシャワーが備えられていたという。

 中島容疑者は、江戸時代の京都の豪商「茶屋四郎次郎」の子孫を名乗る。75年の豊島区議選に立候補し、落選。その後福祉や医療の専門学校を立ち上げて拡大、00年に東京福祉大を創設した。

 同大は創設当時から、セクハラ被害を訴える窓口を置いてきたが、中島容疑者の行為が調査されることはなかった。職員たちは警視庁の事情聴取で中島容疑者の言動について話をしたがらない様子だといい、普段から職員にとって中島容疑者はものが言えない存在だったと同庁はみている。

 同大によると、事件発覚以降25日までに、推薦合格者3人が入学を辞退、9人の志願者が受験を辞退したという。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0127/TKY200801270120.html