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2008年01月26日(土) 00時10分

<株取得>金融庁サイトに虚偽報告か「トヨタなど買収」毎日新聞

 「トヨタやNTTなどを買収した」とする株式の大量保有報告書が25日、川崎市に本社を置く企業からインターネットを通じて関東財務局に提出された。トヨタ自動車、NTT、ソニー、三菱重工業、アステラス製薬、フジテレビジョンの6社の株式のそれぞれ51%を、総額約20兆円で取得したとする内容で、虚偽の報告書とみられる。金融庁は金融商品取引法違反の虚偽記載とみて、事実関係を調査し訂正命令を出すことを検討している。

 虚偽の報告書を提出したのは、テラメントという社名の株式会社。報告書の記載によると、昨年11月に設立され、川崎市で、自動車や家電、原子力の事業を行っていることになっている。虚偽の報告書は25日午後4時10分ごろ、ネットを通じて提出され、金融庁が管理するサイト「EDINET」に掲載された。金融庁は同社関係者と連絡を取って事実関係を確認しているが、トヨタなどを買収した事実は確認できていない。

 株式の大量保有報告書は、上場企業の5%超を取得した株主に提出が義務づけられており、虚偽記載は5年以下の懲役や500万円以下の罰金に問われる。虚偽の報告書が提出され「EDINET」に掲載されれば、当該の企業の株価などに影響を与えかねないが、掲載前に内容を審査する仕組みになっていない。虚偽の報告書と分かっても、金融商品取引法に規定がないため、金融庁が削除することができないという。再発防止のため、大量保有報告書制度の改正を求める声が上がりそうだ。【清水憲司】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080126-00000000-mai-bus_all