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2008年01月26日(土) 06時51分

ラブホテル151店、届け出「ビジネス」 兵庫県警調査朝日新聞

 兵庫県内に194店ある「ラブホテル」のうち、8割近い151店が「ビジネスホテル」として届けられていることが、県警の調査でわかった。ラブホテルに適用される風俗営業法ではなく、実態に反して旅館業法に基づく届け出で営業されているという。風営法では許可されない学校などの近くで営業しているケースもあり、県警は悪質な52店の事業主に警告した。大阪市では建設中のホテルを巡って住民らの激しい反発を招いている。

 県警によると、ビジネスホテルは旅館業法に基づく自治体への届け出が必要で、フロントで客に氏名、住所を書かせるなどの規定がある。一方、ラブホテルは風営法に基づき都道府県公安委員会への届け出が必要で、一部の商業地域でしか出店できない。

 風営法は、利用目的が異性同伴▽食堂、ロビーが一定面積以下▽アダルトグッズの自動販売機などがある場合、ラブホテルと定義しているが、形だけのレストランを設けるなどビジネスホテルを装う事業主も多いという。

 こうした実態を受け、県警は昨年、駐車場に目隠しがある▽店舗前などに利用料金の表示がある▽色づかいが派手——など、外観から「ラブホテル」と判断した194店を調査。うち151店は旅館業法上の届け出をしていたことが判明した。

 県警はこのうち137店に立ち入り調査し、旅館業法で営業許可を受けた後に、内装をラブホテル用に変更するなど、悪質な52店に対し警告した。

 風営法では、学校や図書館などの周囲200メートル区域内ではラブホテルの営業を禁止しているが、ビジネスホテルを装っていたラブホテルのなかには、学校近くの規制区域内で営業している例も確認された。県警は、警告しても改善しないホテルには、厳しく対処する方針。

 大阪市西区では、小学校と道をはさんで向かい側に建設中の8階建てホテルをめぐり、住民側が反発を強めている。業者側は営業許可申請をまだ提出していないが、「ビジネスホテル」と主張。ところが、計画では20室すべてがツインルームとなっていて、住民や小学校の保護者らは「ラブホテルとして営業されるおそれがある」と懸念する。

 昨年10月、住民らが出した学校周辺の教育環境保全条例の制定を求める陳情を、市議会文教経済委員会が全会一致で採択。市はこれを受け、規制強化の検討を始めたが、ビジネスホテルならば、営業許可を出さざるを得ない。開業後に無断でラブホテルに改装されるのを防ぐため、市は「改装する場合は必ず市長の了承を得る」などの条件を付ける方針だ。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0125/OSK200801250123.html