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2008年01月26日(土) 17時02分

振り込め詐欺:宝塚、1週間で被害総額600万円に 主婦や高齢者多く /兵庫毎日新聞

 医療費還付を名目にした振り込め詐欺被害が止まらない。宝塚市内では今月18日以降の被害総額が約600万円に達した。犯人はATM(現金自動受払機)での振り込み後にプリントされる利用控えをわざわざ捨てさせて犯行発覚を防ぐなど、周到で悪質。結果的に日中一人で家にいる主婦や高齢者らが「ねらい撃ち」に遭っており、親族同士で注意しあうなど厳重な警戒が必要だ。
 市職員を名乗る男が「医療費を返還する手続きがある」などと無作為に電話。応じた人に携帯電話持参で金融機関や商業施設内のATMコーナーなどに出向かせ、言葉巧みにATMを使った振り込み操作させて預金を吸い取る——というのが典型的な手口だ。
 犯人は電話口で「(ATM)画面に出る数字を読んで」などと指示して預金残高を「申告」させ、その大半をまんまと奪う。同市の女性(77)の場合、家族のキャッシュカードも含む計4枚を使ってATMを4回操作し、計200万円をだまし取られた。
 宝塚署によると、医療費が払い戻されたと信じてその後、通帳を記帳した際や、家族に話して初めて被害に気付くケースが多い。利用控えの紙は「あとで回収に行くので、ATM横の『箱』に入れてください」とごみ箱に捨てさせる。結果的に、預金残高の減少に気付くのが遅れるのだという。
 被害者は自身の口座に還付金が振り込まれるものと信じてATMを操作するというが、ある銀行の広報担当者は「現金振込みを伴わないATM操作だけで、自身の口座残高が増えることはあり得ない」と断言する。「ATMの扱いは、顔の見えない相手の指示に従うのではなく、画面の意味を自分で理解しながら進んでほしい」と話している。【山田奈緒】
〔阪神版〕

1月26日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080126-00000203-mailo-l28