金融庁がインターネット上に開設している電子開示システム「ＥＤＩＮＥＴ」で２５日、トヨタ自動車やソニー、ＮＴＴなどの「発行済み株式の５１％を取得した」とする大量保有報告書が相次いで掲載された。
金融庁は、全体で約２０兆円に上る異例の取引規模になっているため、いたずらの可能性があるとみて調べている。虚偽記載と分かれば、報告書の訂正命令などの行政処分を出す。
ただ、同システムは提出者がパソコンなどで入力した内容がそのまま掲載される仕組みで、今後同様の報告書が出されても法令上、掲載を止めることはできない。システムの盲点を突かれた形で、金融庁は対応に苦慮しそうだ。
株式を取得したとしているのは、川崎市を所在地にしている「テラメント株式会社」。報告書は株式市場が取引を終えた２５日午後４時すぎに提出。フジテレビジョンやアステラス製薬の株式も５１％取得したという。金融庁はＥＤＩＮＥＴに「事実関係を調査中」と掲載し、注意を促した。