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2008年01月25日(金) 20時19分

古紙の不正申告は17社 業界ぐるみ偽装裏付け産経新聞

 製紙会社の業界団体である日本製紙連合会は25日、都内で古紙配合率に関する会員企業の実態調査結果を発表した。コピー用紙などを製造する24社中、17社から何らかの偽装が申告された。製紙業界内で古紙偽装が蔓延(まんえん)していたことが裏付けられた格好だ。
 記者会見した製紙連の鈴木正一郎会長(王子製紙会長)は「違反の多さを残念に思う」と述べた。業界内での談合疑惑については、「(違反内容は)各社でかなり違う」と否定した。そのうえで、白色度など品質基準が高まる一方、高品質古紙の入手が困難になり、「技術の限界があった」との弁明を繰り返した。
 調査は経済産業省の要請を受け実施し、加盟企業全38社から23日までに回答を得た。昨年10〜12月の生産・出荷について質問しており、「再生紙はがき」で6社、「他者に誤解を与える製品」で13社、「グリーン購入法対象製品」で14社が不正があったと回答した(重複あり)。
 一方、製紙連から調査報告を受けた経産省は、製紙連など関係4団体に対し、在庫製品の取り扱いについて商品表示を訂正、削除して消費者を誤認させないことなどを文書で要請した。文具メーカーなど一部の顧客からは、偽装が判明した再生紙製品を返却する動きもでてきている。
 予想以上の不正に経産省は「古紙配合率の確認体制など、企業を疑ってかかる制度にする必要も含めて考えたい」(紙業生活文化用品課)と、規制強化に向け検討を始める意向だ。
 製紙連はこの日、「古紙配合率問題検討委員会」(委員長、関口裕・王子製紙専務)の初会合を開き(1)再生紙の定義、表示のあり方(2)科学的な分析困難な配合率の担保方法(3)環境と古紙配合のわかりやすい説明(4)コンプライアンスの強化−について議論していくことを確認した。
 古紙配合率の偽装申告をした製紙会社は以下のとおり。▽王子製紙▽大王製紙▽日本製紙▽北越製紙▽三菱製紙▽リンテック▽王子特殊紙▽紀州製紙▽三善製紙▽新巴川製紙▽大興製紙▽中越パルプ工業▽東海パルプ▽特種製紙▽丸住製紙▽日本大昭和板紙▽三島製紙。

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