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2008年01月25日(金) 16時28分

中辻容疑者 ウイルス作成法公開 人気アニメ見せかけ配布産経新聞

 アニメ画像を無断使用してコンピューターウイルスを作成したとして、著作権法違反容疑で逮捕された大阪電気通信大大学院生、中辻正人容疑者(24)が作ったと認めた「原田ウイルス」の作成法がインターネットで公開されていたことが25日、京都府警ハイテク犯罪対策室の調べでわかった。中辻容疑者が、ネット上で評判が良いファイル提供者を装って「機動戦士ガンダム」など人気アニメの名前を付け、ウイルス入りファイルを公開していたことも判明。府警は中辻容疑者がウイルスの拡散を図る狙いがあったとみて追及している。

 調べなどによると、今回のウイルスの原型となった原田ウイルスを、専門的な知識もなく作成できるソフトが、少なくとも2年前からネット上で自由にダウンロードできる状態になっていた。

 中辻容疑者は別のウイルスを配布したり、盗んだ個人情報を蓄積するために複数のホームページを作成しており、府警は原田ウイルスの作成法を公開したホームページも中辻容疑者自身が作ったとみている。

 原田ウイルスは、機能が微妙に異なる亜種が100種類以上にのぼるとされる。中辻容疑者がバージョンアップを繰り返していたほか、ネットユーザーが公開された作成法にならって亜種を作り出したため、種類が増えたとみられる。

 一方、中辻容疑者は、原田ウイルスの亜種のウイルスが入ったファイルに「機動戦士ガンダム」など人気アニメの名前も付け、ファイルをダウンロードするウィニー利用者をおびき寄せていた。

 これまでの調べでは、ウィニー上に音楽や動画などのファイルを公開する場合、10ケタのアルファベットと数字から成る「トリップ」と呼ばれる署名をファイルに付ける。中辻容疑者は「動画の画質が良い」と評判だった複数の他人のトリップを無断で使用していた。

 ウイルス入りファイルの名前には「機動戦士ガンダムOO 第09話」などと付け、人気アニメの動画と見せ掛けていたという。

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 府警は同日、中辻容疑者を著作権法違反の疑いで送検した。

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