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2008年01月24日(木) 20時37分

<コンピューターウイルス>数年前から作成…容疑認める毎日新聞

 ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」で人気アニメ画像の入ったコンピューターウイルス「原田ウイルス」を不特定多数に配布したとして、京都府警に著作権法違反容疑で逮捕された大学院生が、数年前に最初の原田ウイルスを作り、以後も改良して亜種の大半を作成していたことが分かった。今回の逮捕容疑のウイルスには、感染するとウィニー利用者をやゆする言葉が画面に出るようプログラム。府警は背景にウィニーへの批判があるとみている。

 逮捕されたのは、大阪電気通信大大学院生、中辻正人容疑者(24)=大阪府泉佐野市中庄。「最初に原田ウイルスを作ったのは僕です」と容疑を認めているという。

 調べでは、中辻容疑者は昨年10〜11月、感染したパソコン画面に人気アニメ「CLANNAD−クラナド」の一場面が現れるウイルスを作成。不特定多数にばらまき、アニメの著作権を侵害した疑い。画面にウィニー利用者を批判する言葉も表示され、パソコンは正常に作動しなくなる。

 原田ウイルスの亜種は100以上。中辻容疑者の知人とみられる「電通大の原田」という男性の画像が表示されたり、パソコン内のワードやエクセルファイルが、同容疑者が開設したホームページに送られるよう仕組まれているものもある。

 原田ウイルスの作成ツールはネットで流通しているが、府警は中辻容疑者が大半のウイルスを作成したとみて追及する。

 また、府警は「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」などアニメ映像を配信したとして、堺市東区野尻町、会社員、堺省治(39)と兵庫県尼崎市長洲中通2、無職、池間勝久(35)の両容疑者を著作権法違反容疑で逮捕した。共に容疑を認めている。

 2人は人気の映像を配信するとネット上では評判で、中辻容疑者は2人のファイルに見せかけてウイルスを作成、配布していた。【熊谷豪、細谷拓海】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000158-mai-soci