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2008年01月24日(木) 00時00分

横浜市議の団体にも寄付 療養費不正受給針きゅう院読売新聞

松本衆院議員の弟 市に調査内容照会

 横浜市の松本研議員が代表を務める政党支部や政治団体が2004〜08年、横浜市から療養費5400万円を不正受給していた針きゅう院経営の土屋勉院長(70)から計515万の寄付を受けていたことが23日、わかった。そのうち07年以降の190万円を返還した。松本市議は、市が不正受給の疑いで土屋院長を調査していた昨年11月、院長からの相談を受け市に調査内容を問い合わせていたことも判明した。

 松本市議の兄で松本純衆院議員(神奈川1区)が代表を務める自民党選挙区支部や後援会も計465万5000円の献金を受けていたことが明らかになっている。

 政治資金収支報告書によると、松本市議が代表を務める「自民党神奈川県横浜市中区第3支部」に土屋院長から、04年に35万円、05年に170万円、06年に60万円の寄付があった。土屋院長が代表のドリームケアから06年に30万円の献金を受けた。

 政治団体「松本研後援会」も06年、院長から30万円の寄付を受けた。

 松本市議によると、政党支部に土屋院長から07年に160万円、今年1月に30万円が寄付された。

 松本市議はこのうち、土屋院長の針きゅう院が不正受給があった07年以降分の190万円を返した。

 松本市議は「院長の不正は、残念の一言。06年以前の分も市の調査を見て適正に対応する」と話している。

 また、松本市議は、市が土屋院長の不正受給問題を調べていた昨年11月中ごろ、院長から「市が調査に来るというが、何のことだろうか」と相談を受け、市保険年金課に調査内容を問い合わせる電話をしていた。

 保険年金課は「電話があったのは、院長へ最初の聞き取りをする直前だった。マッサージの費用に疑義があると答えたら、『ああそうですか』と引き取った。これ以上聞かれると困るなとは思った」としている。松本市議は「便宜を図ったつもりは、毛頭ない」としている。

 調べによると、土屋院長は昨年4〜9月、利用者約400人の施術回数を水増しし、5400万円を不正受給していた。市から受け取っていた国民健康保険や老人保健の療養費は06年度が4億円余りで、市全体の3割以上を占め、突出していた。

 市は不正受給は数億円に上るとみており、土屋院長を刑事告発する方針。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080124-OYT8T00085.htm