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2008年01月24日(木) 19時57分

<NHK株不正取引>橋本会長の辞任了承 経営委毎日新聞

 報道局記者ら3人によるインサイダー疑惑を受けて、NHK経営委員会(委員長=古森重隆・富士フイルムホールディングス社長)の臨時会合が24日開かれ、橋本元一会長の辞任を了承した。任期満了日だが、経営委は「あくまで任期途中」と説明。海老沢勝二前会長から2代続いて不祥事による辞任となった。

 また、経営委は橋本氏に対し、永井多恵子副会長と原田豊彦放送総局長(専務理事)を辞任させるよう求めた。これに対し、橋本氏は永井副会長の辞任を了承、原田放送総局長は留任させる意向を示した。

 会長の任免権は経営委にあるが、理事の進退は会長が決める。原田放送総局長を留任させたことについて、橋本氏は「北京五輪など放送上の重要事項があり、しばらくやってもらいたい」と語った。

 会合終了後会見した古森委員長は「疑惑は報道機関の根幹にかかわる深刻な事態。全容解明ができていない段階で担当理事2人の辞任を認めたのは問題で、(橋本、永井両氏の)退職金支払い方法は今後検討する」と述べた。

 今回の疑惑を巡り、畠山博治、石村英二郎の両前理事が22日付で引責辞任。24日には次期経営計画案を経営委に承認されなかったとして中川潤一理事が辞任しており、執行部14人中5人が任期途中で辞める異例の事態となった。

 また経営委は、疑惑の調査と再発防止策を検討する第三者機関を設置するよう執行部に申し入れた。全職員と契約スタッフに対して行われた聞き取り調査について、古森委員長は「アンケートに過ぎない」と実効性を疑問視、徹底解明を求めている。第三者機関の設置は、25日付で会長に就任する福地茂雄氏(前アサヒビール相談役)に引き継がれる。

 経営委員の株保有について古森委員長は「監査委員会に参加する委員3人は、インサイダー情報などいろんなデータに触れる可能性がある。今後検討したい」とした。【丸山進】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000141-mai-soci