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2008年01月24日(木) 14時19分

PCウイルス作成者を逮捕 京都府警が全国初 著作権法違反容疑で京都新聞

 インターネットを使って、ウイルスを組み込んだ著作物のアニメ画像を無断で配布したとして、京都府警ハイテク犯罪対策室と五条署は24日、著作権法違反の疑いで、ウイルスの作成者とみられる大阪府泉佐野市の20代の大学院生を逮捕した。コンピューターウイルスの作成者が逮捕されるのは全国で初めてという。
 調べでは、大学院生は昨年10月から11月にかけ、自ら作成したウイルスを特定のアニメ画像に組み込み、アニメ制作会社の許可なくネットワークに流出させ、不特定多数の人がダウンロードできる状態にした疑い。
 大学院生が作成したウイルスは、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワーク上で流通するウイルス「Antinny(アンチニー)」の一種で、通称「原田ウイルス」と呼ばれるものの亜種。感染するとパソコン内のデータが流出したり、破壊されるなどの被害が出る。
 国内では現在、ウイルスの作成を取り締まる法律がないため、法整備が急務となっている。府警はウイルス作成者を立件するため、今回、ウイルスに利用されたアニメ画像を無断で使用した著作権法違反を適用した。
 ■Antinny(アンチニー) パソコンのファイルを自由に共有できるネットワークで主に流通しているコンピューターウイルス。2003年に、ウィニーのネットワークで流通していたことから名付けられた。中でも、ファイル共有ソフトの機能を悪用し、パソコン内の情報を流出させるウイルスが多い。また、他人にパソコン内部の情報をのぞき見られてしまうウイルスや、ファイルを勝手に削除する破壊型のウイルスも存在する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000017-kyt-l26