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2008年01月23日(水) 20時28分

中国の検索サイト「百度」、日本でサービス本格化朝日新聞

 中国のインターネット検索サイト最大手「百度(バイドゥ)」が23日、日本でのサービスを本格開始した。中国では圧倒的なシェアを獲得。同じ漢字圏の強みや検索精度の高さを売りに、日本市場でヤフー、グーグルの2強に挑む。ただ、ライバルも技術開発を進めており、競争は厳しくなりそうだ。

 百度は00年に設立。07年には、中国の検索数で7割のシェアを獲得したという。日本ではウェブページ、画像、動画、ブログの各検索サービスを提供する。

 23日に記者会見したロビン・リー最高経営責任者(CEO)は、中国で圧倒的な地位を築いた理由について、「徹底した現地化」と「検索者の利用目的に合った結果を示す技術」を挙げた。

 中国語のページでは、英語と違って単語の間に切れ目がないことが、検索語を探すときに壁になる。百度は、文章を単語に区切って識別する技術をいち早く進歩させた。このため、同様の課題がある日本語ページの検索でも、一日の長があると説明。また、利用者が楽曲の購入サイトを検索することが多い人なら、歌手名を入力した時にも楽曲購入サイトを上位に表示するといった技術も高いという。

 リーCEOは「我々は成功のプロセスを知っている。競争は怖くない」と自信をみせたが、検索の草創期から参加した中国市場と違い、日本市場は首位のヤフー・ジャパンと2位のグーグルがすでに圧倒的な存在感を持つ。そのヤフーも、日本法人独自に日本語処理技術の開発部隊を設け、約30人が検索エンジンの改良を続けるなど、技術開発に力を入れる。

 国内の07年11月の家庭からの検索サイト閲覧件数は、ヤフー・ジャパンが約21億件、グーグルが約11億件。これに対し、試験提供中だった百度日本語版は13万件だった(いずれもニールセン・オンライン調べ)。百度は、09年から利用が本格化すると見込むが、リーCEOも、けた違いの差を埋めるには「忍耐力が必要」と認めている。 アサヒ・コムトップへ

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