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2008年01月22日(火) 15時27分

県庁爆破予告事件 被告、起訴事実認める読売新聞

初公判 仕事で不安、ストレス

 県職員による県庁爆破予告事件で、脅迫罪に問われている伊達市諏訪野、元県教委総務企画グループ主査の佐藤典昭被告(45)の初公判が21日、福島地裁(鈴木信行裁判官)であり、佐藤被告は2件の起訴事実を認めた。検察側は冒頭陳述で、佐藤被告が県教委の予算事務にかかわる仕事を円滑に進めることができるかと不安やストレスを募らせ、その解消のために脅迫を実行したことを明らかにした。

 冒頭陳述によると、佐藤被告は2007年4月に同グループに配属され、08年度当初予算編成作業に関連する事務を担当。07年7月ごろから県教委全体を見る必要がある仕事の規模の大きさや厳しい財政状況を前に「事務を予定通り進めることができるだろうか」などと不安を抱くようになった。昼休みなどの休憩時間に同グループで執務用のパソコンを使って脅迫文を作成。出勤途中に伊達市のコンビニ店からファクス送信するなどした。騒ぎを大きくするため、県庁内の複数の部署に送りつけていた。

 佐藤被告は上下とも黒のジャージー姿で、目を閉じたままうつむき加減に検察官の陳述を聞いていたが、時々検察官を見つめたり、傍聴席に視線を移したりするなど落ち着かない様子だった。弁護側は次回の公判で同僚らが記した減刑嘆願書を提出する方針。

 起訴状によると、佐藤被告は07年10月12日と24日、「天にかわって制裁を与える」「本庁舎のどこかで爆破事件がある」などとする脅迫文を県庁内の秘書グループにファクスで送ったとされる。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20080122-OYT8T00127.htm