記事登録
2008年01月21日(月) 23時57分

吉村・サイバー大学長が怒りの会見…最後はトーンダウン産経新聞

 「ジャーナリズムとして疑問を感じる」「風評被害」から、最後は「反省している」−。エジプト考古学者として知られる吉村作治氏が学長を務めるサイバー大学が、認可時に文部科学省から求められた本人確認を180人分行っていなかったことが21日、明らかになった。東京都内で行われた記者会見で、吉村氏は、この問題を最初に取り上げた新聞報道を「悪意を持ったインチキ記事」と声を荒らげた。
 「(この新聞に)1面広告を打つので、良く書いてくれるフォローの取材と思ったら、このような形で驚きだ」と激しく避難したうえ、「広告局と編集局は違うことは分かっているが、一般常識ではあり得ない」と“ジャーナリズム論”を披露した。
 本人確認については、メールを送り、ウエブカメラでも行ったが、住所が変わったなどしたので180人が確認できていないと説明。「いくら(学生に)言ってもやってこない」と学生側の問題だとした。
 サイバー大は、引きこもりやハンディのある人、高齢者にも学ぶ場を提供したと成果を強調。また「納税できる人が納税しないのはおかしいと思ってきた」と学校法人の税免除問題を指摘、大学経営に一石を投じていくとした。
 新聞が「単位を与えた」と報道したことには「事実誤認」だと指摘し「ソフトバンクには優秀な弁護士が多くいる」と法的措置を予告した。
 だが、記者から「大学として、文科省の留意事項を実行していない責任を学生に責任転嫁するのか」と聞かれると「組織として反省点はある」と風向きは一転。「問題は3割も未確認であることではないか」との質問には「対面確認を優先してきた。入学式や説明会に喜んでくると思ったが幻想だった」と思惑が外れたことを認めた。
 最後は「本人確認が大事なことはよく分かった。学生に迷惑をかけ、反省している」とトーンダウンして“怒りの会見”を終えた。

【関連記事】
学生180人、本人確認せず サイバー大
用語解説「サイバー大学」とは
「吉村作治」学長の詳細プロフィル
大学全入時代 生き残りへ危機感募らせる専門学校
大学卒業認定を厳格化 「全入時代」で教育の質保証

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-00000945-san-soci