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2008年01月21日(月) 19時29分

破産手続きに入った自費出版大手「新風舎」の「おだて」使った勧誘方法明らかにフジTV

破産手続きに入った自費出版大手の新風舎だが、元社員の証言から「著者おだてマニュアル」を使った、勧誘方法が明らかになった。
「世界けんか独り旅」という本を新風舎から出版した吉田龍恵さんは「わたしは(社長)本人と対決したい。片っ端からうその固まりです」、「自分の人生で初めて本を書いたのに、それをこけにした」と怒りをあらわにした。
新風舎のパンフレットには、「全国書店への販売促進」などと、あたかも全国の書店に本が並ぶかのような宣伝文句が書かれていた。
著作者らから詐欺まがいの商法ではないかと批判されていた大手自費出版の新風舎は、事実上の倒産となってしまった。
新風舎は破産手続きに入ったが、現在契約を交わしながら出版されていない著者の数はおよそ1,100人いて、前受け金は10億円にのぼるという。
著者は「(支払った金は)175万円ぐらい。連絡が取れない。今、行ってみたけど全然だめ」、「命懸けで本書いている人もいる。(お母さんの本を心配して?)早く本になって、今の生活から抜け出せればいいと思っていた」などと話した。
2007年7月、損害賠償請求訴訟を起こした吉田さんは、2002年に新風舎に本を出す問い合わせをしたところ、「とても興味深い作品であることに、皆の意見がまず一致しました」とつづられた手紙が届いたという。
吉田さんは「とにかくあなたの本は素晴らしいと。面白くて一気に読んだと。まったくわたしは信用していました」と語った。
全国の書店日本が並ぶと説明されたという吉田さんは、共同出版という名目で契約を結び、137万円を支払った。
しかし、吉田さんはその後について、「大型書店といわれるところは、一生懸命見て歩いた。ないってことに気がついたときの著者の悲しさ、落胆、さみしさ。これはだまされたと思いました」と語った。
新風舎の元社員は、著者への説明について、「『原稿を読むな』と。ともかく数ページでジャンルの文体をつかんで電話をかける」、「詐欺です。だまそうと思ってやってる手法です」と語った。
新風舎では、著者を褒めるためのマニュアルも使われていたという。
マニュアルには「夢と現実が交錯するような、異次元の肌寒さに圧倒感がある」と書かれていた。
前受け金について、NPO(民間非営利団体)リタイアメント情報センターの渡辺勝利さんは「あんまり費用がかからないと思う。本屋に流通する必要ないとなれば、印刷代と紙代と製本代ですから」と語った。
新風舎の2005年の売り上げは50億円で、その8割が著者が支払った金だという。
新風舎の松崎義行社長は、FNNの取材に対し、「著者が造られた一編一編の本の命というのは存在しています。著者が新風舎で(本を)作ろうとしたことも間違いではないと思っております」と語った。

FNNが入手した営業用のマニュアルには、キーワード集というのがいくつかあり、「テーマ」についてのキーワードが並んだページには、どうやってこのテーマについて褒めるかが書かれている。
例には「ピュアでほんの少しの切なさが“いまどきの恋愛”に辟易(へきえき)している人たちの共感を呼ぶと思います」と書かれていた。
highlow highlow 2008/01/21 19:29

http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00125731.html