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2008年01月20日(日) 22時29分

【大阪府知事選同時進行ルポ】3候補がミナミで締めくくり産経新聞

 大阪府知事選の投開票日まで1週間を切った20日、橋下徹、熊谷貞俊、梅田章二の3候補はともに、ラストサンデーを大阪・ミナミの街頭活動で締めくくった。冷たい雨が降り注ぐ、あいにくの空模様だったが、それを吹き飛ばすような熱のこもった演説が街にこだました。

 「若い皆さんが声を挙げなければ、大阪府は何もしてくれない。おっちゃん、おばちゃんの時代じゃない。君たちの時代なんだ。1票を使わないと2度と政治は君たちの方を向いてくれない」

 橋下は午後5時すぎ、大阪・ミナミのなんばパークス前で傘もささず、雨に打たれながら買い物に来た若者をターゲットに熱弁をふるった。

 この後、約2時間かけてミナミの街を練り歩き、高島屋大阪店前へ。すぐに若いカップルや買い物帰りの女性らが集まり、握手を求めたり、カメラ付き携帯電話を向けたりする。

 橋下は丁寧に握手や撮影に応じ、支援を訴えた。熊谷の街頭演説に出くわす場面もあったが、橋下は熊谷の陣営に手を振る余裕をみせた。

 1人街行く橋下とは対照的に、熊谷は“組織戦”を展開。民主党幹事長の鳩山由紀夫(60)や社民党女性青年委員長の辻元清美(47)らが駆けつけた。

 「府政の財政大改革をできるのは私しかいません。大阪がもう1度笑われないように、私は死ぬまでがんばります。大阪から日本を変えましょう」

 熊谷が叫び、右手を突き上げると、約1500人の聴衆からは大歓声と拍手が沸き起こった。

 鳩山らは、自民党などが表だって橋下の支援を行わないことについて、「名前を表に出したくないというのはまさに『偽装』。応援したいなら表で堂々とすればいいんです。偽装じゃなく、ほんまもんの戦いをしようじゃないか」などと声高に訴えた。熊谷も「大阪の笑いをなめたらあかん。朝から晩まで笑いっぱなしの人間に、涙のしょっぱい味を飲んだことがない人間に、本当の笑いが分かりますか」と、橋下を暗に批判。すると聴衆から「そうだ」「がんばれ」と声が上がった。

 一方、梅田は午後3時50分、ミナミ入り。千日前のビックカメラ前では宣伝カーの上で演説。心斎橋の大丸前では歩道に降り、通行人に次々に手をさしのべ握手した。

 あいにくの空模様だったが、「雪を覚悟していたから、この程度で済んで助かった。雨が降る中でも、知事選への関心が高いことを感じたし、手応えも感じている」。

 選挙戦も残り1週間を切った。「選挙戦は肉体労働。フニャフニャした料理だと体が持たない」と、肉と野菜のバランスがとれた食事をとっている上、栄養ドリンクを毎日2本飲んで、万全の姿勢だ。

 陣営の副事務局長、植田保二(59)は「ラストサンデーだけに盛り上げたかったので、この天気は残念。しかし、その思いは、どの陣営も一緒。まだ誰に入れようか迷っている府民の支持を得るため、陣営として対策を練っていく」と、意気込みを語った。(敬称略)

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