記事登録
2008年01月19日(土) 23時18分

重い病名で医療費請求 川鉄千葉病院、県が返還指導朝日新聞

 JFE健康保険組合川鉄千葉病院(千葉市中央区、山本義一院長)が、実際の診断名よりも重い病名で医療費を請求していたことが19日、分かった。入院治療費を病気の種類ごとに定額払いにする「診断群分類別包括評価」(DPC)で過大請求があったといい、千葉社会保険事務局は、自主調査のうえ返還するよう指導している。

 DPCは03年度に導入され、病気の分類ごとに1日あたりの医療費が決まっている。従来の注射や投薬など診療行為ごとの料金を合計して費用を出す「出来高払い方式」では、過剰診療を招きやすいという指摘があり、医療費抑制などが期待されている。川鉄千葉病院は06年6月に採用した。

 千葉社会保険事務局と千葉県が07年8月、同病院に立ち入り調査し、80人の入院患者の診療報酬明細書(レセプト)を調べたところ、不適正な請求が見つかった。「めまい」を「脳梗塞(こうそく)」、「肺炎」を「肺がん」とするなど、実際の診断よりも重い病名に分類して請求していたという。

 このため、千葉社会保険事務局は、過去1年間にさかのぼって自主調査をして過払い分を返還するよう指導した。同病院が、内部調査を行い不適正な請求分を試算したところ、80人のうち23人分で約274万円になったという。

 同病院の尾上慎一事務部長は「指導を受けたのは事実だが、意図的に行ったつもりはない。医師や事務の知識が不十分だった」としている。今後、さらに入院患者のレセプトとカルテを照合し、過大請求があれば返還するという。

 川鉄千葉病院は360床で、1日あたりの患者数は入院が約300人、外来は約1000人。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/life/update/0119/TKY200801190245.html