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2008年01月19日(土) 08時28分

コピー紙販売中止 再生紙偽装 需要家企業が実態調査フジサンケイ ビジネスアイ

 日本製紙に続き王子製紙など、製紙業界全体に広がった古紙配合率の偽装問題。大手首脳は18日までに、古紙配合比率を恒常的に偽っていた事実を認め、陳謝した。一方、印刷業界など需要家企業各社は、偽装再生紙の自社製品へ採用実態の調査に乗り出した。商品表示を訂正しなければならない可能性も高く、影響が広範囲に及ぶ恐れがでてきた。

 「横へならえの古い業界体質が残っているのではないか」

 ある複写機メーカー幹部は、相次ぎ偽装を公表した製紙業界への不快感をあらわにした。コニカミノルタやリコーなどは、コピー用再生紙の販売をいったん中止し、各製紙メーカーの報告を受けたうえで販売を再開する方針だ。しかし、「再生紙を上質紙などへ切り替えただけで注文に応えきれるか分からない」(リコー広報)うえに大手全社に偽装が広がったことで、調達先の選別も難しくなった。

 文具大手のキングジムは、ファイル背見出しの古紙配合比率を表示して販売しており、「実態と異なることになれば問題」と困惑する。プラスや無印良品なども偽装がみつかれば、ホームページで通知する方針だ。

 凸版印刷や大日本印刷などには、顧客企業からの問い合わせが続く。現段階で取引の停止は考えていないが、業界団体として製紙業界側に改善を要求する方針。JTBは「顧客に直接的な迷惑はないが、信義の問題」(広報室)と不信感を強める。

 王子製紙の篠田和久社長は、偽装製品の量が限定的で業績への影響はないとし、原燃料価格高騰を理由にした値上げ交渉も「予定通り行う」と強気の姿勢だが、不祥事が顧客に与えた傷は、広く深いようだ。(吉村英輝)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080119-00000012-fsi-ind