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2008年01月18日(金) 19時36分

振り込め詐欺にはかなり重い判決 最近の傾向産経新聞

 「オレオレ詐欺」が減少傾向にあるなか、「還付金詐欺」などに形態を変えながら発生し続ける振り込め詐欺。だが、摘発・起訴された犯人たちは主犯格はもちろん、末端の役割であっても、一般的な詐欺事件よりかなり重い判決が待っている実態があるようだ。
 最高裁の平成18年のまとめによると、詐欺罪で起訴され、1審で有罪判決を受けたのは5407人。そのうち「懲役5年以下」よりも重い判決を受けたのは約8・5%だった。
 一方で、警視庁管内で摘発され、17年12月から昨年12月までの2年間に1審判決を言い渡された振り込め詐欺犯は約70人。このうち「懲役5年以下」より重い判決を受けた被告は70%を超えている。
 起訴の際の被害金額から比較しても、振り込め詐欺犯に厳しい判決が言い渡されるケースが目立つ。
 例えば、18年に警視庁が摘発した住宅ローン詐欺事件では、約9000万円をだまし取ったとして起訴された主犯格の男の判決は、懲役5年の実刑だった。これに対し、振り込め詐欺犯は、被害金額が約6000万円のケースで「15年以下」が1人、「10年以下」が4人、「7年以下」が4人など、極めて厳しい判決となっている。
 判決理由から、組織的で卑劣な犯行である▽被害者は財産の多くを失う▽被害者の処罰感情が極めて強い−ことなどが考慮されているとみられる。
 こうした厳しい判決に警視庁幹部は「末端のだまし役でも『10年以下』の判決が出たケースがある。執行猶予付き判決も少なく、安易に犯行に加わると大変なことになる」と警鐘を鳴らしている。

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