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2008年01月17日(木) 11時38分

遺棄毒ガスで重傷と提訴 中国の少年2人東京新聞

 中国・吉林省で2004年、旧日本軍が遺棄した毒ガス兵器で重傷を負い、呼吸器障害や免疫力低下などの後遺症に苦しめられたとして、中国人の周桐さん(15)と劉浩さん(11)が17日、日本政府に1人当たり3300万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

 原告側代理人によると、同様に遺棄兵器で被害を受けた中国人が原告となった訴訟は今回で4件目。これまでの3件のうち、1件では03年の東京地裁判決が「回収を怠り、放置した」と国家賠償を命じたが、東京高裁で原告が逆転敗訴した。現在は最高裁で2件、東京地裁で1件が係争中。

 訴状によると、2人は04年7月、小川で遊んでいた際に土手で砲弾を見つけた。腐食部から漏れたびらん性毒ガス「イペリット」の液などに触れ、脚に大きな水疱ができるなどし、約2カ月間入院。退院後もせき込むほか風邪にかかりやすく、集中力や体力が低下した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011701000269.html