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2008年01月17日(木) 11時26分

白色矮星も宇宙線の起源 埼玉大などが世界初の発見東京新聞

 恒星が寿命の終わりを迎えた「白色矮星」が、宇宙から地球に降り注ぐ電気を帯びた高エネルギー粒子「宇宙線」の起源になっていることを、世界で初めて埼玉大と宇宙航空研究開発機構などのグループが観測で突き止め17日、発表した。

 寺田幸功埼玉大大学院准教授(理学)は「100年来、謎に包まれていた宇宙線の起源の解明に迫る発見」としている。

 電子や陽子が光速に近いスピードまで加速する宇宙線は1912年に発見。高速で回転し、電磁波などを規則的に出す天体「パルサー」となった中性子星などで粒子加速が起こるとされてきたが、中性子星などの数は少なく、すべての宇宙線の起源と考えることを疑問視する声も出ていた。

 研究グループは、これまでパルサーになると考えられていなかった白色矮星のなかで、磁場の強い「みずがめ座AE星」に注目。天文衛星「すざく」で、電子が加速されて出た硬エックス線の強度が約33秒間隔で変わる中性子パルサーと似た信号をとらえ、宇宙線が出ていることを確認した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011701000239.html