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2008年01月17日(木) 06時00分

地球内部は乾いている? 岡山大、常識覆す実験結果東京新聞

 地球内部の高温高圧状態を再現した実験で、マントルに含まれる水分が従来の想定よりはるかに少ないとの分析結果を、岡山大地球物質科学研究センター(鳥取県)の芳野極研究員らがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 含まれる水が少ないとマントルの粘性が高まって動きにくくなるため、マントル対流の仕組みを見直す必要も出てくる。芳野研究員は「従来の考え方と異なり、浅い部分に水があっても、深い所はカラカラに乾いているのでは」としている。

 芳野研究員らは、深さ410−660キロにあって流動するマントル遷移層に着目。含まれる2種類の鉱物を高温高圧にし、含水量を変えながら電気抵抗を計測したところ、含水量が多いと磁気嵐などを利用した観測値と一致せず、水をほとんど含まない場合は一致することを突き止めた。

 これまではプレートの沈み込みに伴い、海水などが地中深くまで引き込まれると考えられていた。再現実験とはいえ常識を覆す結果で、今後議論を呼びそうだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011701000006.html