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2008年01月17日(木) 06時36分

エビ投資詐欺、比に捜査員派遣 養殖事業の実態調査朝日新聞

 フィリピンでのエビ養殖事業への投資話で巨額の資金を集めた「ワールドオーシャンファーム」(東京都台東区)による詐欺容疑事件で、警視庁は16日までに、現地に捜査員を派遣し、情報収集や調査活動を始めた。同社会長の黒岩勇被告(59)=旅券法違反の罪などで起訴=らは「フィリピンに東京ドーム450個分の養殖池がある」と宣伝して金を集めたが、同庁は養殖事業の実態はほとんどなかったとみて、現地の捜査当局と協力し、裏付け捜査を進める。

 生活経済課の調べなどでは、同社は05年ごろから「エビ養殖事業に投資すれば1年で2倍になる」と勧誘。約4万人から約600億円を集めたとされる。当初は10日ごとに配当を払っていたが、06年秋ごろから滞るようになり、昨年1月に完全に停止した。

 同社は会員向けのパンフレットで「フィリピン・ルセナ市に巨大な養殖場がある」と紹介。しかし、昨年5月の会員向け文書で「(前年に)4度の台風が直撃したため安定した利益の確保が困難になった」と説明し、経営破綻(はたん)した。

 警視庁は昨年7、8月に同社の関係先を家宅捜索し、役員を務める黒岩被告の息子が借りていた栃木県小山市のアパートなどから数億円の現金を押収した。

 黒岩被告は昨年5月末、フィリピンに逃亡し、その後日本との間を往復していた。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200801160435.html