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2008年01月17日(木) 15時01分

<振り込め詐欺>携帯電話90台押収 大学卒業名簿を悪用か毎日新聞

 10〜12の振り込め詐欺グループを統括していた男が逮捕、起訴された事件で、東京都府中市にある男の自宅マンションから、警視庁と埼玉県警が携帯電話約90台を押収していたことが分かった。グループが全国の大学の卒業者名簿を基に被害者に電話を掛け、数十の銀行口座に現金を振り込ませていたことも判明した。グループによる大掛かりな詐欺の実態が浮かび上がった。

 グループを率いていた府中市宮町1、無職、戸田雅樹被告(29)らは、早稲田大学など全国の大学の卒業者名簿を基に、携帯電話を使って被害者宅に電話をかけ、主にアダルトサイトの利用料名目で架空の未納金を請求していた。

 実行役のメンバーは電話の転送システムを悪用、被害者宅の電話機にフリーダイヤル「0120」で始まる番号を表示させ、サイト運営業者からの電話を装っていたという。

 実行役の上には現場責任者を置き、各グループが管理する口座に被害者から入金がある度に、引き出し役を現金自動受払機(ATM)に向かわせていた。被害者宅に郵送する虚偽の請求書を作る文書作成役もいたという。

 こうした手口を指南し、携帯電話や拠点となるマンションの部屋を各グループに提供していたのが、14日に逮捕された仕切り役の佐井宏彰容疑者(26)だったという。

 警視庁捜査2課は17日、1グループによる計7件(被害総額1138万円)の詐欺容疑などで戸田被告や佐井容疑者ら6人を逮捕したと発表した。6人は戸田被告を中心とした遊び仲間だった。【石丸整、鳴海崇、浅野翔太郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080117-00000072-mai-soci