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2008年01月17日(木) 21時40分

教職員名の報告は不適当 神奈川、君が代不起立で東京新聞

 神奈川県教育委員会が君が代斉唱時に起立しなかった教職員名を校長に報告させていることについて、県個人情報保護審議会は17日、「思想、信条に関する個人情報を例外的に扱う正当性、必要性は認められない」と不適当とする答申をまとめた。近く、県教委に提出する。

 県が同審議会の答申に反して事業を継続した例はないが、県教委は答申が「最終的な実施権限は県教委に委ねられる」との見解も示していることを踏まえ、報告を継続する方向で検討。君が代斉唱の機会が多い春の卒業式、入学式シーズンを控え、一部の教職員が反発する可能性もある。

 県教委によると、同様のケースで県個人情報保護審議会に意見を求めるのは珍しいという。

 答申は、起立しなかった教職員名の取り扱いは思想、良心の自由を保障した憲法19条と深く関係していると指摘。県教委が「正当な事務や作業の実施に必要で、県個人情報保護条例が認める例外に当たる」と主張していることについて「適当と答申することはできない」との判断を示した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011701000892.html