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2008年01月17日(木) 08時02分

保険法1世紀ぶり抜本改正へ 告知義務方法変更…「契約者保護」強める産経新聞

 法制審議会(法相の諮問機関)の保険法部会は16日、保険契約のルールなどを定めた保険法を改正する要綱案をまとめた。契約者が加入時に病歴や健康状態を告知する義務を保険会社の質問に答える形に改めたり、保険金の支払い時期についての規定を新設するなど、契約者保護の色彩を強めた内容となった。

 保険法の抜本改正は明治44年以来約1世紀ぶりとなる。法制審は2月の総会で要綱を決定し、法相に答申。法務省は通常国会に保険法の改正案を提出する見込み。

 要綱案では、告知義務違反を理由にした不適切な保険金不払い防止を目的に、契約者が保険に加入する際に病歴や健康状態を申告する「告知」のやり方を変更。契約者が保険会社に伝える従来の形を、保険会社の質問に対して契約者が答える形に改める。

 現行法では、契約件数を稼ぎたい保険販売員が健康上の問題を知りながら契約させた場合、保険金不払いのケースもあったが、要綱案ではあくまで質問に対する告知義務だと明記することでトラブルを未然に防止する。

 これまで保険会社の約款任せとなっていた保険金の支払い時期についても規定を新設。さらに、農協や生協の共済や、入院保険やがん保険などの傷害・疾病保険についても新たに保険法の対象として追加する。自動車保険などの賠償責任保険では、契約者が自己破産などした場合に、保険金の中から被害者が優先的に弁済を受けられるよう規定を新設した。

 今回の法改正に当たって、法務省は商法の中から保険法にあたる部分を取り出し、単独法として法改正する方針だ。

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