記事登録
2008年01月16日(水) 00時00分

ずさん「公金外現金」横浜市教委読売新聞

不適正取り扱い18件 市定期監査で判明

 横浜市教委が所管する団体の現金を管理する職員が帳簿を作らなかったり、上司の決裁のないまま出し入れしたりするなど、7課で18件の不適正な取り扱いがあったことが、市の定期監査で分かった。こうした現金は「公金外現金」と呼ばれる。出張旅費を職員に支払わないまま課長名義の口座にプールし、学校の備品発注で意図的な分割発注していたケースもあった。市監査事務局は「市教委、学校ともにかなりずさんで、自覚が欠けている」と指摘している。

 監査は昨年9〜12月、市の6局と3区、出資団体など4団体について2006、07両年度の財務関係の事務を対象に行われた。

 監査報告によると、市教委学校支援・地域連携、施設管理、特別支援教育の3課は、公金外現金の出納帳と支出入伝票を作成していなかった。

 施設管理課は、活動を休止している2団体の別々に管理すべき預金通帳と印鑑をまとめてロッカーに保管。研究研修指導、生涯学習、小中学校教育課は担当者が課長の決裁を得ないまま口座から現金を出し入れしていた。

 公金外現金を巡っては、文化財課職員が実体のない文化財調査団に2760万円を不正支出していたことが判明している。今回の報告は文化財課への監査を「継続中」としている。

 また、教職員人事と小中学校教育の両課は、職員5人分計6万3000円の出張旅費を2年以上払わないまま、課長名義の口座にプールしていた。

 「職員への支払いを忘れていた」という。特別支援学校4校も同様の問題が指摘された。

 市立学校では、瀬谷中と金沢高が、印刷機の購入で、同じ業者に印刷機と専用の台座を分割して発注していた。発注額が40万円を超えると、市教委の扱いになるため、学校の裁量で購入できるよう意図的に分割していた。

 両校は「購入の手続きを早くしたかった」と説明したという。さらに、物品の購入で複数の業者から見積もり合わせをしていなかったり、一般競争入札の名簿外業者と契約していた学校が6校あった。

 市出資団体への監査では、国の名勝三渓園(中区)を管理する三渓園保勝会が、市指定有形文化財「鶴翔閣」を茶会などに貸し出す事業について、収入を過少に市へ報告して補助金を約114万円多く受け取っていた。監査の指摘を受け、補助金を返還した。

 横浜企業経営支援財団が運営する中小企業の研究支援施設「横浜金沢ハイテクセンター・テクノコア」(金沢区)は、入居企業が06年7月〜昨年3月に滞納した賃料約245万円を決算書に計上していなかった。監査事務局は未収金として処理するよう指導した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080116-OYT8T00018.htm