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2008年01月16日(水) 13時46分

元社長ら全員に有罪判決 三菱車欠陥死亡事故 横浜地裁朝日新聞

 三菱自動車製大型車のクラッチ系統の欠陥で02年に山口県で起きた死亡事故をめぐり、業務上過失致死罪に問われた同社の元社長河添克彦被告(71)ら元役員4人の判決公判が16日、横浜地裁であった。鈴木秀行裁判長は元社長を禁固3年執行猶予5年(求刑禁固3年)とするなど、全員に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。被告側は全員が無罪を主張していた。

横浜地裁に入る三菱自動車の河添克彦元社長(前列左端)ら被告と弁護団=16日午後1時すぎ、横浜市中区で

 鈴木裁判長は、元三菱ふそうトラック・バスカンパニー社長の村田有造被告(70)に禁固3年執行猶予5年(求刑禁固3年)▽元同副社長の宇佐美隆被告(67)に禁固2年執行猶予3年(同2年6カ月)▽元品質・技術本部副本部長の中神達郎被告(65)には禁固2年6カ月執行猶予4年(同)——をそれぞれ宣告した。

 元社長ら4人は00年7月に三菱自で大量のクレーム隠しが発覚した際、旧運輸省からリコールなどの措置が必要な不具合情報を全部報告するよう求められたのに、98年3月以前の不具合情報が残っていないとうそを報告。クラッチ系統の欠陥をリコールなどの措置を取らずに放置し、02年に死亡事故を引き起こしたなどとして起訴された。

 公判で弁護側は、元社長は「オープンにやれ」と指示したのに、リコール対象の選別を担当していた部下が、元社長の方針に背いて不具合を隠したと反論。元社長は事故原因となったクラッチ系統の欠陥さえ知らず、事故を予測するのは不可能だったと主張していた。

 事故は02年10月に起きた。鹿児島県の運転手の男性(当時39)が、三菱自製の9トン冷蔵車で山口県内を走っていた際、クラッチ系統の欠陥が原因で車を制御できなくなり、事故死した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200801160172.html