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2008年01月14日(月) 01時35分

国交省職員を逮捕 業者から数百万円収賄容疑 兵庫県警朝日新聞

 死者・行方不明者98人を出した04年の台風23号の災害復旧工事を担当した国土交通省豊岡河川国道事務所(兵庫県豊岡市)の職員が、同事務所発注の工事を受注した業者から現金数百万円を受け取っていた疑いが強まり、兵庫県警捜査2課は14日未明、同事務所調査課係長の藤田洋容疑者(46)を収賄容疑で、同市の土木建築会社「沖野工務店」営業部長の大谷衛(まもる)容疑者(67)を贈賄容疑でそれぞれ逮捕した。大谷容疑者は容疑を否認し、藤田容疑者は容疑を認めているという。

 調べでは、藤田容疑者は05年2〜3月、大谷容疑者に工事の予定価格を漏らすなどの便宜を図った見返りに、数回にわたって現金計数百万円を受け取った疑い。この現金も含め、藤田容疑者の口座には計約3000万円が入金されていたことも判明。引き出された形跡はないという。県警は、藤田容疑者がほかの業者からも現金を受け取っていた可能性があるとみて調べる。

 同社社長は13日、朝日新聞の取材に「私は関係ない。警察には、聴かれたことに資料を見せながら説明した」と答えていた。同事務所の中村文彦所長は「事実関係については分からない。警察の捜査を見守り、協力する」とだけ話した。

 豊岡市では台風23号で、円山川とその支流の出石川の堤防が決壊するなどした。国交省は治水対策として04年から5年間で650億円の「河川激甚災害対策特別緊急事業」に着手。土砂を掘削して水位を下げたり、堤防を新築したりする工事を進めている。このうち、同社は06〜07年に、河川掘削や土砂の仮置き場建設の計3件、総額4億1240万円の工事を落札している。

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