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2008年01月14日(月) 21時25分

副作用訴えても従業員が診療 やせ薬無資格処方産経新聞

 診療所やエステ店を全国展開する「メディカルサロン」グループによる医師法違反事件で、逮捕されたグループ代表で医師の風本真吾容疑者(44)が総院長を務める東京・六本木のメディカルサロンに通院する女性患者が、肥満治療薬「マジンドール」を飲んで副作用を訴えたにもかかわらず、従業員が診療行為を行っていたことが14日、分かった。同グループがマジンドールを処方できる法的根拠のない「資格」を従業員に与えていたことも判明した。

 大阪地検公安部は、風本容疑者が違法性を十分に認識し、グループ全体で無資格処方が横行していたとみている。

 関係者によると、平成15年に開設された六本木サロンでは常勤医師はおらず、アルバイト医師が週に1度、患者の診療にあたっていた。これまでに女性患者が「(処方された)マジンドールを飲んだけど、口が渇いて困る」と副作用を訴えたケースがあったが、医師がいなかったため従業員が診断。「水分を多く取りなさい」などと指導したという。

 また同グループでは、風本容疑者が会長を務めていたNPO法人で通信教育講座を開設。受講料8万4000円で、従業員が試験に合格し講習を受ければ医薬品を使用できるとする「資格」を与えていたという。風本容疑者とともに逮捕された六本木サロン店長の岡村沙代里容疑者(29)もこの資格を持っていたとみられる。

 マジンドールは依存性のほか、吐き気や不眠、頭痛、便秘などの副作用がある。医師しか処方できず、厚生労働省や製薬会社は「不適切な処方は危険」としている。

 風本容疑者は逮捕前の取材に対し、「肥満治療のための患者は病気ではない。私たちは従業員がそんな患者を診ることを『診療』ではなく『指導』と呼んでいる」と主張していた。

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