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2008年01月13日(日) 21時16分

「キャラクター携帯」でソフトバンクが攻勢産経新聞

 ソフトバンクモバイルがアニメのキャラクターなどをモチーフにした“キャラケー”と呼ばれる携帯電話端末で、ファン取り込み作戦を強化している。昨年末までに26種類を発売し、今月中にも4種類を加える予定だ。携帯電話契約数が1億台を突破して市場の飽和感が強まる中で、新たな需要を開拓するのが狙い。同社は今後、“趣味の1台”にとどまらない実用性の高い商品の投入も視野に入れている。

 キャラケーに登場するのは「機動戦士ガンダム」「ベルサイユのばら」「ゲゲゲの鬼太郎」など、20〜30歳代の男性を中心に人気の高いキャラクターたちだ。さらに人気ミュージシャンをモチーフにしたオリジナルデザインも用意されている。

 26種類のキャラケー全体を1機種として数えると、今回の冬商戦ではこのキャラケーの新規加入数が最も多く、同社の販売戦略の重要な一角を担いつつある。仕事で使う端末とは別の「趣味で使う端末として購入するケースが多い」(吉田憲司プロダクト・マーケティング部課長)としており、キャラクターの頭部をかたどった充電器で話題を集めたガンダム携帯は、すでに入手が困難になりつつある。

 キャラケー登場の背景には、熱心なファンを獲得するだけでなく、端末の開発・製造期間の短縮という目的もある。

 キャラケーには現在、東芝が昨年8月に発売した「815T」を主に利用しており、「新規の端末開発には通常1年半かかるが、既存端末を使うことで発売までの期間を大幅に短縮できた」(吉田氏)という。また、既存端末を利用すれば、通常は市場に出回る期間が数カ月という端末の延命効果も見込める。

 一方でキャラケーならではの難しさもある。例えば巨大なキャラクターの頭部を梱包(こんぽう)したガンダム携帯の箱の大きさは、通常の携帯電話の9倍もある。他のキャラケーでも付録が付いているため、数倍程度大きい。

 「キャラケー発売に伴った倉庫の新設などは行っておらず、発注処理システムも十分対応していない」(マーケティング本部の吉田真佑氏)のが実情で、流通部門には大きな負担だ。

 それでもソフトバンクモバイルでは、今後も継続してキャラケーを発売していく計画だ。ただ、「キャラクターを変えるだけの変更は行いたくない」(吉田憲司氏)としており、今後は趣味のための購入でなく、普段使う携帯としても選んでもらうことを目指す。ファンにアピールできるキャラケーだが、機能性が低ければファン以外の購入は見込めない。単なる“既存端末の再利用”にとどまらない付加価値を打ち出せるかが問われている。

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