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2008年01月13日(日) 22時57分

有害サイトから子供を守れ 親の意識向上へ 都がネット助言者養成産経新聞

 全国各地で子供を巻き込んだネット犯罪が多発している問題で、東京都は来年度から、ネット上で守られるべきモラルを教えたり、有害サイトの対処法を普及させたりするインターネットアドバイザーの養成に乗り出す。3年間で100人を目標にしており、地域で小学生の子供を持つ保護者らを対象にした講習会を開催し、ネットに対する知識を深めてもらう。ネットへの親の監視の目を高めることで、子供をネット犯罪から守る家庭環境づくりを目指す。(植木裕香子)

 都が養成するのは、インターネット環境に対する幅広い知識を持つ人材。都作成のハンドブックを活用して、インターネットの掲示板への書き込みによるいじめ▽「死にたくなければこのメールを回せ」といったチェーンメール▽迷惑メールにだまされたことによる架空請求−などの対策のほか、有害サイトの閲覧制限方法について技術面から学ぶ。

 そのうえで「インターネットの掲示板で、個人を集団でいじめるようなことには加わりません」「チェーンメールが届いたら親に相談します」「友達のゲームでも対象年齢外のものでは遊びません」など、インターネットを利用する子供へのルールづくりの必要性について理解を深める。

 保護者への啓発を目的としているため、都は人材養成の際、多くの保護者と触れる小学校のPTA役員や、地域で青少年健全育成に努める関係者らに呼びかける。

 都では将来的に、都内の小学校全1323校にアドバイザーを各1人配置し、子供のネット環境に対する親の監視を徹底させたいとしている。

 平成18年の犯罪白書によると、インターネットの出会い系サイトを通じた買春など、17年の児童買春・児童ポルノ禁止法での摘発件数は456件で、13年から約2倍に増加している。

 ネット犯罪に詳しい園田寿・甲南大学法科大学院教授は「インターネットの世界はあくまでも仮想のもの。保護者は現実社会というアナログ世界のコミュニケーションこそが、社会では大切ということを子供に伝えてほしい」と話している。

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