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2008年01月13日(日) 22時44分

京都精華大生刺殺、15日で1年…母親「心からわびて」読売新聞

 京都市左京区の路上で、京都精華大マンガ学部1年千葉大作さん(当時20歳)が刺殺された事件が起きて、15日で1年となるのを前に、千葉さんの母淳子さん(48)(仙台市)が13日、京都市で記者会見した。

 淳子さんは「『おれと家族に心から謝って』という大作の声にならない声が聞こえる。犯人は過ちに気づき、心からわびてほしい」と涙ながらに訴えた。

 京都府警が現場近くの小学校で開いた住民への捜査状況説明会に他の遺族らと出席した後、同小で会見に臨んだ淳子さんは、事件以来の日々について、「今もまだ長い夢を見ているよう」と表現。昨年の元日に帰省した千葉さんが、その日の夜から徹夜で漫画を描いていた姿を紹介、「リンゴを持っていくと、『ありがとう』と言ってくれた。あの笑顔を去年の正月には見ることができたのに」と声を詰まらせた。

 さらに「大作は本当に優しく、話していると癒やされた。私は何もしてあげられなかったけれど、精いっぱい生きることで恩返しをしたい」と誓う一方、「犯人が恐ろしい過ちに気付いて目を覚ますなら、大作の死も無駄ではなかったと思うしかない」とやりきれない思いを吐露。会見後、事件現場で、ユリの花束を供え、冥福(めいふく)を祈った。

 府警は目撃情報から自転車の通行を巡るトラブルが原因とみて、これまでに延べ約2万4000人を動員し、犯人の似顔絵や現場に残された足跡をもとに聞き込みを進めてきた。昨年12月からは、警察庁の公費懸賞金制度も適用されている。情報提供は府警捜査本部(0120・230・663)。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080113i213.htm