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2008年01月12日(土) 18時56分

2千円札、旧500円札より“貴重”に 流通量減少に歯止めかからず東京新聞

 世の中に出回る2000円札の枚数減少に歯止めがかからず、すでに発行されていない旧500円札の枚数にさえ抜かれていたことが12日、分かった。昨年12月末現在で2000円札の流通枚数は1億5000万枚なのに対し、現在も市中にある旧500円札は2億2000万枚。政府の肝いりで登場した2000円札の存在感は薄れる一方−。

 2000円札は、国内初めての「2」の付く紙幣として2000年7月の沖縄サミットに合わせて発行された。偽造防止機能が充実していることもあり、流通枚数は年々増加し、ピークの04年8月には5億1000万枚まで増えた。

 ところが同年11月、1万円札、5000円札、1000円札が新デザインに変わり、最新の偽造防止機能も導入。2000円札の目新しさが薄れたことに加え、使用できる自動販売機も増えず「不便な紙幣」というイメージが定着したことから、その後はほぼ右肩下がりに減り、06年2月に旧500円札に枚数で抜かれた。

 日銀は金融機関の要請に応じて紙幣を発行しているといい、ニーズがなければ出回る枚数も増えない。日銀は「使ってもらうことで便利さを実感してもらえたら」との姿勢だが、使われないから浸透しないという悪循環に陥っているのが現状だ。

 旧500円札は500円玉が定着した後の1980年代半ばに印刷がほぼ終了。現在は古銭商で扱われるほか、各家庭のタンスの中で保管されていると日銀はみている。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011290185650.html