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2008年01月12日(土) 13時37分

1月12日付 よみうり寸評読売新聞

 「校舎を使って夜間に塾を開きます」。そんなうたい文句で始まる予定だった東京都杉並区立和田中学校の特別授業「夜スペシャル(夜スペ)」に、都教育委員会が待ったをかけた◆進学塾から講師を派遣してもらい、受験を支援する。週3〜4回で1万8000円〜2万4000円。塾に通うより安いが、誰もが払える額でもない◆「義務教育の機会均等などの点から疑問がある」というのが、都教委の指摘だ。藤原和博校長は、「指摘された点はクリアできる」として、延期した26日に開始できるよう対応を検討中だ◆藤原校長は5年前、都内の公立中で初の民間出身校長となった。以来、次々に改革を進めてきた。夜スペは住民らが学校を支援する地域本部の主催だが、この本部も改革の一つだ◆石原慎太郎都知事は都教委の指摘を踏まえつつ、「それを言ったらキリがない。基本的には賛成だ」と話す◆学力低下の現状に、「学校や教師はもっと工夫を」の声が強い。塾とタイアップして学力を上げる、そんな工夫があってもいい。教師の刺激にもなるはずだ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080112ig05.htm