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2008年01月12日(土) 21時49分

大阪市バスに「車内カメラ」 常に乗客を撮影、事故防止で産経新聞

 大阪市交通局は16日から市営バス126台に設置したドライブレコーダーの運用を開始する。同局によると、100台以上の規模でレコーダーを導入する公営バスは、全国でも例がないという。年間約140件に上る事故を減らすのが狙い。タクシーやトラックのレコーダーと異なり、前方だけでなく、乗客の事故も記録できるよう後ろ向きに車内撮影用カメラもつけるのが特徴だ。
 レコーダーは、車両の前方や車内を2台のカメラで常時記録し、事故時などに前後の映像や音声を保存する。また速度や加速度などのデータを記録するデジタルタコグラフも搭載している。
 交通局では、データを事故原因の特定などに活用するほか、映像で記録された事故事例などをもとに乗務員教育を徹底する方針。約1億9420万円かけ、21年度中に全車導入する。
 市営バスでは、18年度の人身事故138件のうち、車内事故が70%近い95件に上っている。ドライブレコーダーは、事故削減などを目的にタクシーやトラック業界などでも導入が進んでいるが、市営バスでは、乗客の転倒事故なども記録できるように、車内撮影用のカメラも設置した。
 乗客の様子を常時撮影することになるが、市交通局では「事故防止目的以外には使用しません」としたステッカーを張るなどして理解を求める。
 テスト運用では事故の原因が、相手の車の信号無視だったことが明確になった事例もあるといい、港営業所の牧野亨所長は「バスは法定速度で運行するため、無理な追い越しや、急停車でひやりとさせられることも多かったが、レコーダーで記録していることがわかれば、そういった事例も減るのではないか。急発車など車内事故の原因を分析して防止する上でも役に立つ」と期待している。

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