記事登録
2008年01月11日(金) 20時44分

高裁の再考要請で特別許可 強制退去の比人家族の在留東京新聞

 不法残留による強制退去処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁が請求自体は退けたが、長女(13)の教育に配慮して法相に在留特別許可の可否を再考するよう要請したフィリピン人家族(埼玉県在住)に対し、東京入国管理局は11日、定住者として1年間の在留資格を与えた。

 法務省入国管理局は「取り消し訴訟に敗訴したが裁判所の付言で在留が認められたのは初めて。行政として高裁の指摘を真摯に受け止め、総合的に判断した」としている。

 昨年9月の控訴審判決によると、長女の父(46)は1991年2月、短期滞在用ビザで入国。別に来日した母(40)と知り合い94年4月、長女が生まれたが、埼玉県警が2004年12月、父母を現行犯逮捕。東京入国管理局は05年1月、家族3人の強制退去処分を決めた。

 しかし、退去処分後も長女は地域の小中学校に通って日本の生活になじんでおり、送還されれば勉強が困難になる点を重視。判決文の中で「日本で教育を受ける機会を失わせ、将来の夢を断念させるのは忍びない」と指摘。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011101000753.html