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2008年01月11日(金) 16時52分

野生動物対策で交付金創設 作物被害防止へ天敵も利用東京新聞

 サルやイノシシなど野生動物による農林水産物の食害防止に向け、農林水産省は2008年度から、動物を捕獲するわなの設置や“天敵”のイヌを使ってサルを追い払う取り組みなどに対する交付金制度を創設する。08年度は政府予算案に28億円が盛り込まれており、全国の約300地区が対象になる見通し。

 市町村が中心になって食害対策を計画的に進める仕組みを盛り込んだ特別措置法が2月に施行されるのを受け、各地域の取り組みをハード、ソフト両面から支援する。

 新制度では、市町村や農協職員などで地域協議会を設置。協議会が策定した事業計画を農水省の地方農政局が審査し、交付額を決める。

 このうち、わなの設置やサルを追い払うイヌの訓練のほか、野生動物が生息する山林と人里の間に緩衝地帯としてウシなどを放牧したり、市町村職員らが狩猟免許を取得する際の費用は、国が全額負担。動物が田畑に侵入できないようにする防護柵の設置や、処分した捕獲動物の食肉加工施設の整備にも、費用の半額を交付する。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011101000518.html