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2008年01月11日(金) 10時32分

<ホルムズ海峡>イラン革命防衛隊が映像公開毎日新聞

 【テヘラン春日孝之】ペルシャ湾のホルムズ海峡でイラン革命防衛隊の高速艇が米艦船を威嚇したと米国が非難している問題で、イラン革命防衛隊は10日、独自に撮影した映像を公開し、「威嚇行為はなかった」と重ねて反論した。イラン国営の衛星放送プレステレビが報じた。

 ビデオ映像は約5分間で、革命防衛隊員とみられる高速艇の男性が無線で米艦船に「こちらイラン巡視艇」と呼び掛け、識別番号の確認を求めた。相手は英語で「こちら多国籍軍艦船73。公海上を航行中」と返答している。

 映像には、交信相手である識別番号73の米海軍巡洋艦ポート・ロイヤルの他、駆逐艦ホッパーとフリゲート艦イングラムも映っている。イラン側は「針路と速度を申告せよ」とも求めた。

 米CNNは6日、米軍関係者の話として、米艦船3隻がイラン高速艇5隻から「数分以内に爆破する」と警告されるなどの挑発行為を受け、交戦寸前の事態になったと報じた。米側が公開した映像は駆逐艦ホッパーから撮影されたという。イラン側は9日、「資料映像に音声をつなぎ合わせた出来の悪い創作だ」と反論していた。

 米側の映像はブッシュ米大統領が中東歴訪を開始するタイミングで公開された。イランのファルス通信によると、革命防衛隊海軍のファタビ准将は「中東政策で失敗したブッシュ(大統領)が一定の政治的目的を達成するため、(イランの敵対的姿勢を示す)今回のメディア騒動を必要とした」と指摘した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080111-00000032-mai-int