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2008年01月11日(金) 23時05分

グッドウィルに事業停止命令 違法派遣を認定 厚労省朝日新聞

 厚生労働省は11日、日雇い派遣大手グッドウィルが違法派遣を繰り返したとして、事業停止命令を正式に出した。禁止業務への派遣や二重派遣と知りながら派遣を続けたと、組織的な関与を認めた。違法派遣にかかわった大手物流会社の佐川グローバルロジスティクスなど3社にも事業改善命令を出し、悪質性の高い東京都内の港湾関連会社を刑事告発した。日雇い派遣業界では違法状態の横行が指摘されており、適正化に向けた業界の取り組みが問われる。

 グッドウィルは全国に708事業所があり、厚労省は、違法行為を直接行った浜松北支店など67事業所(統合後の現在数)に18日から4カ月間、残る全事業所に2カ月間の事業停止を命じた。期間中は新たな派遣契約の締結や契約更新ができなくなる。

 違法状態にかかわった労働者は延べ約3万1000人(実数約4500人)。グッドウィルの派遣労働者は1日あたり3万人を超えており、厚労省は全国の労働局に雇用対策を指示した。

 東京労働局は同日の会見で、禁止された港湾業務に労働者が東京都内で二重派遣された事案について、「グッドウィルの支店長らは労働者から聞いて港湾業務に従事していることを知っていた」と指摘。この事案に絡み、派遣事業の許可を受けずにグッドウィルの労働者を受け入れて他社に二重派遣していた港湾関連会社「東和リース」(東京都港区)を、職業安定法違反の容疑で警視庁に告発した。

 このほか、佐川グローバルロジスティクスが、グッドウィルの労働者を浜松市内の大手通信販売会社の倉庫に二重派遣したと認定。別の派遣会社「ヴィプランニング」(京都市)も、派遣元責任者を適切に選任しないまま労働者を佐川側に派遣していた。「グローバルサポート」(千葉県松戸市)もグッドウィルの労働者を千葉県市川市内の倉庫に二重派遣したとし、これらの3社が事業改善命令を受けた。

 グッドウィルは「厳粛に受け止め再発防止に取り組む」とのコメントを出した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY200801110283.html